【10月19日 AFP】フランスでニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が推進する年金制度改革法案に反対する全国規模の抗議運動は19日にも行われる見通しだ。

 定年退職年齢を現行の60歳から62歳に引き上げるとした仏政府の年金制度改革法案への抗議運動が2か月ほど前に始まってから、全国的に組織されたデモが実施されるのは6回目となる。

 19日のストライキによる空の便の欠航は、パリ(Paris)郊外のオルリー(Orly)空港を発着する便の50%、シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)空港とその他の空港で30%に達する見通し。

 内務省によると、これまでにフランス全土でデモ参加者290人が逮捕された。また、デモ隊との衝突で警察官4人が負傷したという。

■300校近くが休校状態に

 全国各地で高校生たちも抗議行動に加わり、300校近くが休校状態になっている。18日にパリ近郊ナンテール(Nanterre)で行われたデモでは、車に放火したり、バス停を破壊したり、投石をしたりした高校生たちに警官隊が催涙弾やゴム弾を発射した。

 トラック運転手もストライキに参加し、数週間にわたって各地で幹線道路を封鎖。ゴミ収集員らがストライキに入ったマルセイユ(Marseille)では通りにゴミが山積している。 

 フランス全土の製油所が前週から稼働を停止しているため、多数のガソリンスタンドでガソリン不足に陥っている。このため、政府は非常用の備蓄燃料を供給すると発表した。

 いまのところ仏政府は年金改革を後退させる考えを示していない。サルコジ大統領は18日、法案の通過を目指すと断言した。(c)AFP/Roland Lloyd Parry