【10月19日 AFP】ドラッグ、音楽、ミック・ジャガー(Mick Jagger)、そしてその恋人との浮気、逮捕、恋愛――。26日に発売予定のキース・リチャーズ(Keith Richards、67)の自伝「ライフ(原題、Life)」は、彼自身と同じようにあらゆる点で「ロックンロール」な内容になっている。

 16日発行の英紙タイムズ(Times)に、「ライフ」の一部が掲載された。そこでは、最も崇拝され最も影響力の強い20世紀のバンドの1つとなったローリング・ストーンズ(Rolling Stones)が、どのように世間を騒がせてきたかが明かされている。

■ミック・ジャガーについて

 リチャーズの人生を余すところなくさらけ出した内容は、作曲の相棒ジャガーとの問題だらけの関係についても触れている。リチャーズはジャガーのことを「陛下」や「ブレンダ」と呼んでいるが、1980年代初め頃から「耐えがたい」存在になったという。

  「ミックのことは愛してたけど、もう20年もやつの楽屋には入ってない。時々思うよ。『友だちが恋しい、やつはどこへ行っちまったんだ?』ってね」

 また、ジャガーの「ペニスはちっちゃい」とも書いている。これは明らかに、ジャガーのかつての恋人マリアンヌ・フェイスフル(Marianne Faithfull)から聞いた内容だと思われる。

■バンド内での寝取り寝取られ

 フェイスフルは、リチャーズから始まるストーンズの複雑な一連の逢い引き問題に巻き込まれた。リチャーズはまず、バンドメンバーのブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)の恋人アニタ・パレンバーグ(Anita Pallenberg)とスペインへドラッグ旅行へ出かける。その後、リチャーズはパレンバーグがジャガーと浮気していたことを知り、ジャガーの恋人フェイスフルを寝取ることでジャガーに仕返ししようとしたのだ。しかし、ベッドインの最中に見つかってしまい、窓から逃げるはめになる。

 ジョーンズは1969年に自宅のプールで溺死したが、リチャーズとパレンバーグの関係は続き、3人の子どもが生まれた。

 リチャーズはパレンバーグについて、こう書いている。「バレンシアのオレンジの香りを今でも思い出すよ。アニタ・パレンバーグと初めて寝たときのことは、何でも覚えてるものさ」

■リチャーズの自宅に警察の手入れ

 リチャーズとパレンバーグは、リチャーズの自宅で起こったドラッグに絡む手入れ騒動の後にスペインに飛んだ。リチャーズとジャガーはこのとき逮捕され収監されたが、リチャーズの有罪判決は覆され、ジャガーの判決は取り消された。

 自伝の中でリチャーズは、この手入れのことを次のように書いている。

  「ドアがノックされて窓からのぞくと、家の外には同じ服を着た「小人」が大勢いた。警官だったけど、俺にはわからなかった。ダークブルーの服に光る道具とヘルメットを身につけたとても小さな人間に見えたのさ。『すごい衣装だな。俺に用かい?とにかく入れよ。外は寒いだろ』と言っちまってたな」(c)AFP