【10月8日 AFP】ハンガリー西部のアルミニウム工場から流出した有毒な廃液が7日、欧州で2番目に長いドナウ(Danube)川に到達した。川には魚の死がいが浮かび、当局は生態系の破壊を危惧(きぐ)している。

 同国の災害救援サービス当局者によると、真っ赤な廃液はドナウ川支流のマーチャル川(Marcal River)であらゆる生物を死滅させた後、同日正午ごろ、本流に到達した。

 廃液は4日、首都ブダペスト(Budapest)の西約160キロにあるアイカ(Ajka)のアルミニウム工場の貯水池が決壊して流出。近隣の村に110万立方メートルの廃液が流れ込み、コロンタール(Kolontar)村では4人が死亡した。

 同村を流れる小さなトルナ(Torna)川はマーチャル川に注いでいる。マーチャル川はラバ(Raba)川に、ラバ川はドナウ川にそれぞれ流れ込んでいる。ドナウ川はハンガリーからクロアチア、セルビア、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナを経て、黒海に注ぐ。

 セルビア、クロアチア、ルーマニア各国は、流域の飲料水汚染リスクをかんがみ、ドナウ川の監視レベルを引き上げると表明した。(c)AFP/Geza Molnar