【10月5日 AFP】欧州連合(EU)の最高裁に相当する欧州司法裁判所(ECJ)が9月30日、スペインの男性に「授乳休暇」の取得を認める判断を下した。

 ECJは、子どもの母親が働いていない場合、父親に授乳休暇の取得を認めないとするスペインの労働法について「性別に基づいた不当な差別」だと判断。母親と同じ権利を父親に与えないことは「古典的な男女の役割分担を固定化し、子の親としての義務を遂行するにあたっての男性の役割を女性の補助的なものに限定している」と指摘した。

 スペインの授乳休暇は、両親が共働きの場合に子どもの生後9か月まで、1日に1時間の授乳のための外出、または30分の就業時間短縮を認めるもの。しかし父親は、母親が企業に雇用されている場合にしか、授乳休暇の取得ができない。

 原告の男性は妻が自営業だったことから、授乳休暇の申請を却下され、これを不服としてECJに異議を申し立てていた。

 これに対しECJは、男性が妻と授乳の義務を分担できない場合、妻の労働時間が制限される可能性があると指摘。「授乳休暇」は1990年の制定当時こそ母親の母乳による授乳を前提としていたものの、最近では哺乳ビンによる授乳についても認められているとして、「もはや授乳休暇は、産休のあとで家族の生活と仕事とを調和させるための『子どものためだけに使う時間』と考えるべきだ」との結論を下した。(c)AFP