【10月1日 AFP】映画『お熱いのがお好き(Some Like It Hot)』でマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)と共演するなど数多くの映画に出演し、甘いマスクで知られた米俳優トニー・カーティス(Tony Curtis)さんが29日、ネバダ(Nevada)州ヘンダーソン(Henderson)の自宅で心不全のため死去した。85歳。

 1925年6月、貧しいハンガリー系ユダヤ人移民の長男としてニューヨーク(New York)で生まれたカーティスさんは、16歳で海軍に入隊。除隊後に演技を学び、舞台に出演していたときに映画プロデューサーに見出された。

■ハリウッドの二枚目スター

 1950年の『シエラ(Sierra)』で人気を得ると、50年代後半にバート・ランカスター(Burt Lancaster)と『空中ぶらんこ(Trapeze)』、『成功の甘き香り(Sweet Smell of Success)』などで共演し、ハリウッドで引っ張りだこの俳優となった。

 1958年には、シドニー・ポワチエ(Sidney Poitier)と共演した『手錠のままの脱獄(The Defiant Ones)』で生涯唯一となるアカデミー賞ノミネートを果たした。このとき、カーティスさんは、黒人俳優のポワチエも同様の評価を得るべきだと主張し、当時の人種問題にメスを入れた。

 おそらくカーティスさんの出演作の中で最も有名なモンローとの共演作『お熱いのがお好き』では、ビリー・ワイルダー(Billy Wilder)とともに女装姿も披露した。

 黒の短髪と整えられた眉毛で知られたカーティスさん。理髪店では、誰もがトニー・カーティスのようにしてくれと注文し、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)もそのスタイルをまねるほど、カーティスさんは大スターとなっていった。

■数々の女性遍歴

 しかし、1000人の女性と寝たと豪語したこともあるカーティスさんは、数多くの女性と浮き名を流したことでも知られた。
 
 マリリン・モンローと3年間交際したあと、6回結婚。カーティスさんは後に、自分の過ちが結婚生活を崩壊させ、子どもたちとの関係もダメにしてしまったと語っている。

 最初の妻となったのは、アルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)監督作『サイコ(Psycho)』の浴室で叫ぶ有名なシーンに出演したジャネット・リー(Janet Leigh)さんで、カーティスさんは後に、「私たちは、ハリウッドのゴールデンカップルだった」と語り、別れたときにはリーさんが心を痛めていたと明かした。

 娘で女優のジェイミー・リー・カーティス(Jamie Lee Curtis)さんとは疎遠になったカーティスさんだったが、1998年、73歳で6人目の妻にしたジルさんと最後まで連れ添った。

 出演した映画は120本以上だが、フルート奏者や画家としての評価も高く、カーティスさんの絵画はニューヨーク近代美術館(Museum of Modern Art in New York)に常設展示されている。(c)AFP/Romain Raynaldy

【写真特集】追悼:トニー・カーティスさん
【動画】カーティスさんの出演シーン(Youtube/AFPBB News公式チャンネル)