【9月30日 AFP】イルカ漁で知られる和歌山県太地町の港で、捕獲したイルカを入れていたいけすの網が、刃物のようなもので切られているのが見つかった。

 29日の共同通信によると、「ブラック・フィッシュ(Black Fish)」と名乗る欧州の環境保護グループがウェブサイト上で、いけすを切ったと発表しており、警察は関連を捜査している。

 声明は、同グループのダイバーが、イルカを逃がす目的で6基のいけすの網を切ったと述べている。

 太地町では毎年約2000頭のイルカを追い込み漁で捕獲し、そのうち数十頭を水族館やレジャー施設などへ、残りのイルカを食用として売却している。

 同町のイルカ漁は、今年のアカデミー賞(Academy Awards)長編ドキュメンタリー賞を受賞した米映画『ザ・コーヴ(The Cove)』で取り上げられ、国際的に注目されている。

 今年のイルカ漁が始まった2日には、反対する動物愛護活動家などが東京の米大使館前で、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領に日本への圧力を強めるよう要求し、抗議集会を行った。150か国以上から集まった170万人分の抗議署名を、『ザ・コーヴ』にも出演した米人気テレビ番組『わんぱくフリッパー(Flipper)』のイルカの調教師、リチャード・オバリー(Ric O'Barry)氏が米大使館職員へ手渡した。(c)AFP

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