【9月29日 AFP】2005~10年のオーロラ(極光)の観測件数が過去100年以上の間で最も少なくなっていると、フィンランド気象庁(Finnish Meteorological InstituteFMI)が28日、発表した。

 オーロラは一般的に11年の「太陽周期」に従って増加と減少をくり返す。FMIの研究者、Noora Partamies氏は、AFPの取材に「太陽活動の極小期は2008年だった、ということになっているが、その後も極小期が続いている」と語った。過去半年間でようやくオーロラが増加を始めたものの、「極小期を脱したのかどうかはまだわからない」という。

 オーロラは、地球にやって来た「太陽風」が磁極に引っ張られ、電離層や磁気圏にある電子と衝突することで発生する。オーロラの減少は太陽風をもたらす太陽フレアや黒点の活動が減少していることを意味する。

 研究者にとっては、太陽周期が乱れている状態をさまざまな機器で観測できる初めての機会だ。太陽活動の極大期だった2003年、北極に近いノルウェーのスバルバル(Svalbard)諸島ではオーロラのシーズンとなる夏の白夜の時期にほぼ毎晩オーロラを観測することができた。しかし、現在はピーク時と比べて50%未満にまで減少しており、北極のオーロラを観測する施設として最も南にあるフィンランドの施設では、過去数年は年間数件しか観測していない。(c)AFP