【9月28日 AFP】スペイン・プラド美術館(Prado Museum)は23日、16世紀のフランドルの巨匠ピーテル・ブリューゲル(父、Pieter Bruegel the Elder)の絵画を新たに確認したと発表し、この絵画を初めて公開した。

 確認されたのは、ブリューゲルの「聖マルタン祭のワイン(The Wine of Saint Martin's Day)」。1565~1568年に描かれたテンペラ画で、縦148センチ、横271.5センチの大型作品。酒に酔った大勢の人々が描かれており、プラド美術館によると「ワインに酔った人々で構成された(ブリューゲルの)『バベルの塔』のような」作品だという。

 プラド美術館は今年2月から修復作業を進めていたが、絵画をX線撮影したところ、カンバスの下部にブリューゲルの署名の一部があることが分かったため、絵画がブリューゲル作品だと確認できたという。ブリューゲルの真作として確認された作品としては41点目となる。

 アンヘレス・ゴンサレス・シンデ(Angeles Gonzalez-Sinde)文化相によると、絵画の所有者は国による所蔵を求めており、24日の地元紙パイス(El Pais)はスペイン文化省は所有者と推定市場価格の3分の1にあたる700万ユーロ(約7億9000万円)で絵画を購入することで交渉中だと伝えた。

 プラド美術館はすでにブリューゲルの「死の勝利(The Triumph of Death)」を所蔵しており、「聖マルタン祭のワイン」は同館にとって2点目のブリューゲル作品となる。この作品の修復にはさらに9か月かかるという。(c)AFP