【9月22日 AFP】米国立衛生研究所(National Institutes of Health)は21日、「ネットいじめ」の被害にあった生徒は、従来型のいじめを受けた生徒よりもうつに陥る可能性が高いとした研究結果を発表した。

 近年、子どもたちの間では言葉で相手をなじったり、暴力を加えるなど、いじめる側といじめられる側が実際に対峙(たいじ)する従来型のいじめに加えて、Eメールやインターネットのチャットルームなど、互いに顔の見えない状態での「ネットいじめ」が増えている。

 これについて米国立衛生研究所の研究チームが、米国内の小学校6年から高校1年までの生徒を対象に統計をとったところ、「ネットいじめ」の被害にあった生徒の間で高いうつ傾向が見られたという。その割合は、従来型のいじめの被害者よりも高かった。また、いじめられる側ほどではないが、ネットでいじめる側の生徒にもうつ傾向がみられた。

 青年期医学誌『Journal of Adolescent Health』に掲載された研究結果によると、互いに顔が見えず匿名でやりとりするオンライン上では、いじめられた相手を特定することができず、被害者は孤立感や屈辱感、無力感を、より募らせやすいためとみられる。(c)AFP

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