【9月16日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI、83)は16日、4日間の公式訪問のため英国に入った。

 エディンバラ空港(Edinburgh Airport)に降り立ったベネディクト16世は、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の夫のフィリップ殿下(Prince Philip)や、最後の香港(Hong Kong)総督となったクリス・パッテン(Chris Patten)氏に出迎えられた。

 ローマ法王の公式訪問は、1534年に英国王ヘンリー8世(Henry VIII)がローマ・カトリック教会と決別した後では初めて。1982年にはヨハネ・パウロ2世(John Paul II)が訪英したが、この時は非公式訪問だった。

 法王はエディンバラでエリザベス女王と会談し、その後グラスゴー(Glasgow)、ロンドン(London)を訪れ、バーミンガム(Birmingham)で19世紀に活躍したジョン・ヘンリー・ニューマン(John Henry Newman)枢機卿の列福式を行う。

 今回の訪英は、英国国教会とカトリック教会の関係改善を目的としたものだが、カトリック聖職者による児童の性的虐待問題に対するデモなどが複数計画さるなど、法王の訪英に強く反対する声も上がっていた。

 さらに訪英直前に側近のドイツ人枢機卿の「英国は第三世界の国」という内容の失言が問題になり、この枢機卿が同行を取りやめた。(c)AFP/Gildas Le Roux

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