【9月16日 AFP】カンボジアの旧ポル・ポト（Pol Pot）政権時代（1975～79年）に起きた大量虐殺を裁くカンボジア特別法廷（Extraordinary Chambers in the Courts of Cambodia、ECCC）は16日、人道に対する罪などでポル・ポト政権の元幹部4人を起訴した。

　今回起訴された4人は、ヌオン・チア（Nuon Chea）元人民代表会議議長（84）、イエン・サリ（Ieng Sary）元副首相（84）とその妻のイエン・チリト（Ieng Thirith）元社会問題相（78）、キュー・サムファン（Khieu Samphan）元幹部会議長（79）。

　4人は当時カンボジア全土で約200万人が飢えや強制労働、処刑などで死亡したことに関与した疑いで、2007年に逮捕され拘束されていた。

　公判は2011年はじめに開始される見通し。カンボジア特別法廷で開かれる裁判としては、人道に対する罪などで7月に禁固35年の有罪判決を受けたカン・ケ・イウ（Kaing Guek Eav、通称ドッチ）被告の裁判に続く2つめの裁判となる。

　1998年に死亡したポル・ポト氏が率いた共産主義政権は、1970年代後半に、農民にとっての理想郷を作るとして都市住民の農村への強制移住や、通貨や学校の廃止などの極端な政策をとり、当時の国民の約4分の1が死亡した。(c)AFP/Michelle Fitzpatrick