【9月15日 AFP】健康に良い生活をしていても夫が自宅で喫煙する女性は寿命が短くなることが、米バンダービルト大学(Vanderbilt University)が中国女性を対象に行った調査で明らかになった。アジア人女性を対象にした生活習慣と死亡率の関連性調査は初めて。

 同大のSarah Nechuta氏が主導する研究チームは、上海(Shanghai)の女性健康研究団体の協力を得て、1996年から2000年にかけて、喫煙や飲酒の習慣がない40歳から70歳までの中国人女性7万1000人に関するデータを集め、体重、ウエストとヒップの比率、運動の習慣、受動喫煙の有無、野菜や果実の摂取度を調べた。

 約9年の追跡調査期間中に死亡したのは2860人。死因は1351人ががん、775人が心疾患によるものだったが、喫煙者の夫を持つ女性は、配偶者が喫煙しない女性よりも早く死亡する傾向があった。

 欧米に比べ中国男性の喫煙率は高いことから、中国の女性は副流煙にさらされる機会が多い。こうした悪環境から逃れるには、妻と夫の双方が、たばこがもたらす健康被害への認識を高めることが必要だと研究チームは指摘している。

 今回の研究で対象を中国女性に限定したのは、欧米女性は喫煙や飲酒の頻度が高いなど、中国女性とは生活習慣が著しく異なるためだという。(c)AFP/Karin Zeitvogel