【9月7日 AFP】2010年バンクーバー(Vancouver)冬季五輪では、出場選手の少なくとも10%が負傷し、7%が何らかの病気に罹患(りかん)したとする調査結果が、7日発行の英医学誌「British Journal of Sports Medicine(英スポーツ医学ジャーナル)」に発表された。

オスロ(Oslo)にあるNorwegian School of Sport Sciences(ノルウェースポーツ科学学校)のスポーツ医学チームは、五輪期間中の2月12~28日に選手の健康を管理した世界82か国のオリンピック委員会の担当医ならびに、バンクーバーとウィスラー(Whistler)に設置された「五輪クリニック」で収集されたデータを基に、分析を行った。

 調査対象になった選手2567人のうち、けがの報告件数は287件、病気の報告件数は185件にのぼった。

■ボブスレーやアイスホッケーが最も危険

 最も危険なスポーツは、ボブスレー、アイスホッケー、ショートトラック、フリースタイル、スノーボードクロスで、けがのリスクはトレーニングにもよるが15~35%だった。

 けがのリスクが5%以下と最も低かったのは、ノルディックスキー、リュージュ、カーリング、スピードスケート、フリースタイルモーグルだった。

 ただ、リュージュでは、グルジア代表のノダル・クマリタシビリ(Nodar Kumaritashvili)選手が練習中にポールに激突して死亡するという事故が起きている。

 けがの半数はトレーニング中に、残りの半数は競技中に発生した。けがの内容は、ほとんどが打撲か、首や脊椎(せきつい)、ひざの損傷だった。けがの約4件に1件は、トレーニングの続行もしくは競技への出場を断念せざるをえないものだった。(c)AFP