【9月3日 AFP】アフリカの淡水種の5分の1が絶滅の危機に瀕(ひん)しており、アフリカ大陸の数百万人が生活の糧を失う可能性がある。絶滅危惧(きぐ)種を掲載する「レッドリスト(Red List)」最新版でこのような事実が2日、明らかになった。

 レッドリストを作成した国際自然保護連合(International Union for Conservation of NatureIUCN)によると、魚、軟体動物、カニ、トンボ、水生植物などアフリカに生息する5167の淡水種について科学調査を行ったところ、約21%が絶滅の危機に瀕していることが分かった。

 例えば、タンザニア、ウガンダ、ケニアにまたがるビクトリア湖(Lake Victoria)では、調査した191の魚類のうち半数近い45%が既に絶滅したか、絶滅の恐れがある。

 カメルーンのバロンビムボ湖(Barombi Mbo)では、地元の重要な食糧である魚など11種が絶滅寸前となっている。

 アフリカの貧困層の大半は魚を主なタンパク源にしている。サハラ以南では、約750万人が漁業で生計を立てていると考えられている。

 そのため、IUCNの担当者は「淡水種の減少を食い止めないと、アフリカの豊かな生物多様性が永遠に損なわれてしまうばかりか、数百万人が収入源や食糧を失うことになりかねない」と警告を発している。(c)AFP