【8月26日 AFP】チリ北部のサンホセ(San Jose)鉱山で起きた落盤事故でチリ政府は25日、地下700メートルに閉じこめられた作業員33人に、救出までには数か月かかるという悪い知らせを届けた。

 ハイメ・マニャリク(Jaime Manalich)保健相は、「独立記念日(9月18日)には間に合わないが、クリスマスまでには救出したいと思っている」と伝えたという。作業員は落ち着いて話を聞いていたが、今後「絶望感、怒り、不安感に襲われる可能性がある」と保健相は指摘した。

 作業員らの生存は、5日の事故発生から2週間以上が経過した22日に確認されたが、その後当局は、暑く湿った閉所で長期にわたって暮らすことを考え始めた時の精神的ダメージを恐れ、作業員らに救出作業が長期化することを伝えていなかった。

 救出のためのトンネルは、完成時には自転車の車輪ほどの直径66センチになる見通し。作業には約4か月が必要とされる。

■「地獄から助けて」、地下から訴え

 当局関係者らは、救出に時間がかかると説明する際に細心の注意を払ったという。その前日の24日に、地下の作業員から必死の嘆願があったからだ。

「わたしたちをこの地獄から救い出してほしい。チリ全土の皆さんにお願いする」。作業員のリーダーのルイス・ルイス・ウルスア(Luis Urzua)さんは、地下につながる直径8センチの穴を通して落とされた通信機器に向かって語った。「大統領閣下、どうか頑張ってわたしたちをできるだけ早くここから出してほしい。見捨てないでくれ」

 セバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領はこの訴えに対し、「見捨てるなどということはない。一瞬たりとも君たちが放っておかれることはない」と答えた。ただ、この時点で大統領は、救出作戦に120日かかる点には触れなかった。

■細い筒が命綱、NASAも協力は

 閉じこめられた作業員らはこれまでに、チョコレートやラズベリー味のミルクセーキなどが届けられた。体が慣れた4日後には固形物に移行する予定だ。水や食べ物は直径12センチ・長さ1.6メートルの金属製の筒の中に入れられ、ロープで吊り下げて地下に届けられる。

 作業員救出作戦には、閉ざされた場所での健康管理の専門家ともいえる米航空宇宙局(NASA)も協力を惜しまないと表明している。(c)AFP/Moises Avila Roldan

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