【8月21日 AFP】米ノースカロライナ(North Carolina)州で、ハチの巣60個を輸送していたトラックが路上で故障してハチの大群が外へ飛び出し、かけつけたパトカーを3時間にわたり取り囲むという出来事があった。

 この騒動が起きたのは17日の朝。ノースカロライナ州のローリー(Raleigh)で、路肩で止まっている車両があるとの報告を受け、警官のブランドン・ジェンキンズ(Brandon Jenkins)さんが現場にかけつけた。

 トラックは果樹園での受粉のためにハチの巣60個を運ぶ途中だった。こういった輸送はたいていハチが巣の中にいる夜の間に行われるが、故障で立ち往生したため、朝日が昇り日光が差し込むのを感じ取ったハチたちが外へと繰り出してしまったのだ。

 郡保安官事務所の広報は、「女王バチが不在で混乱したハチたちは、付近にある一番大きい物体だったパトカーを襲撃したんだろう」と述べる。3~5万匹のハチに襲われたパトカーは、ほとんど車体が見えない状態だったという。

 ジェンキンズさんが車外へ出ずに上司に状況を報告したところ、外に出ず、ハチたちを刺激しないよう指示されたという。保安官事務所広報は、「夏休みで子どもたちも外に出ているから、非常に慎重に動く必要があった」と語った。

 現場にはノースカロライナ州立大(North Carolina State University)の養蜂専門家、ジェニファー・ケラー(Jennifer Keller)氏が救援に呼び出された。「あんな状況は見たことがない。ハチたちは行き場がなかったので、車を休憩所代わりに使ってたんでしょうね」とケラー氏は語る。

 ケラー氏がハチに砂糖水のスプレーを噴霧したところ、ハチたちはお互いをなめ始めて集合し始めたので、そこをねらって救助隊員が巣箱にハチたちを戻したという。

 無事解放された警官のジェンキンズさんは、「1か所刺されたよ。でもハチをひっぱたいたから、自分のせいだね」と語った。(c)AFP

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