【8月12日 AFP】エチオピア・アファール(Afar)地方の約340万年前の地層から、先のとがった石器で肉をこそぎとったような跡が残る大型ほ乳類の骨の化石を発見したとする論文が、12日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。人類の祖先は、定説より約100万年も前から、石器を使用していたことになる。

 米カリフォルニア科学アカデミー(California Academy of Sciences)などの国際調査隊は、それぞれウシとヤギほどの大きさの動物の骨の断片2個を発掘した。石器自体は見つかっていないが、骨に付いた跡から、石器で肉をこそぎ取ったり、たたき割って骨髄を吸っていたりしたとみられる。

 これまでで最古とされる石器は、約250万年前のものだった。 

 石器が見つかったアワシュ渓谷(Awash Valley)の発掘現場では、2000年、同じ調査隊が約330万年前の人類の祖先アウストラロピテクス・アファレンシスのほぼ完全な骨格化石を発掘している。女児のものと断定され、「セラム(Selam)」と名付けられた。

 調査隊リーダーのZeresenay Alemseged氏は、「今回の発見と照らし合わせると、セラムは石片を持ち歩いていて、家族が動物を解体するのを手伝っていた可能性は高い」と話している。(c)AFP/Marlowe Hood