【8月10日 AFP】髄液中のバイオマーカー(生体指標)を使えば、アルツハイマー病を発症の数年前にほぼ100%の確率で予見できるとする論文が、9日の米国医師会(American Medical AssociationAMA)の医学誌「アーカイブス・オブ・ニューロロジー(Archives of Neurology)」に発表された。

 ベルギー・ゲント大(Ghent University)のGeert De Meyer氏とアルツハイマー病脳画像診断イニシアチブ(Alzheimer's Disease Neuroimaging InitiativeADNI)の研究チームは、認知症ではない年配者114人、軽度の認知症がある年配者200人、アルツハイマー病と診断された年配者102人のデータを分析した。

 その結果、アルツハイマー病のグループの90%以上、軽度の認知症のグループの72%、認知症ではないグループの36%に存在する、あるバイオマーカーを発見した。

 このバイオマーカーを使って調べたところ、アルツハイマー病患者68人のグループでは、そのうちの64人(94%)をアルツハイマー病に分類することができた。軽度の認知症と診断され、5年間の経過観察が行われている57人のグループでは、アルツハイマー病に進行した患者を100%の確率で見分けることができた。

■新たなバイオマーカーの将来性

 ADNIの研究者によると、アルツハイマー病の発病過程は通常はあまり目立たず、「最初の症状が現れる10年以上前から病気は進行している」と考えられてきた。

 だが、認知力に全く異常のない被検者群の3人に1人以上にこのバイオマーカーが存在していたことから、研究チームは、これまで考えられてきたより早期にアルツハイマー病の病変を発見できる可能性があるとしている。

 論文を掲載した同誌の解説記事によると、ある研究グループがバイオマーカーを用いるアルツハイマー病の検査方法の理想的な条件を示した1990年代後半から、ヒトの体液中にそのようなバイオマーカーを探す研究が精力的に行われてきた。

 その条件はアルツハイマー病を80%以上の確率で見つけられること、技術的信頼性が高いこと、再現性があること、非侵襲的であること、使いやすいこと、安価であることなどだが、解説記事によるとゲント大が用いた試験方法は、ほぼすべての条件を満たしているという。(c)AFP