【8月9日 AFP】「美人は就職に不利かも」――? 米コロラド大デンバー・ビジネス・スクール(University of Colorado Denver Business School)の研究チームが6日、このような調査結果を社会心理学誌「ジャーナル・オブ・ソーシャル・サイコロジー(Journal of Social Psychology)」に発表した。

 職種によっては選考対象にも入れてもらえないなど、「美人であること」が就職活動で不利に働く側面があるという。

■男らしい職種には就けない?

 研究チームは、男女55枚ずつの顔写真を雇用主らに見せ、職業リストの中からそれぞれに適切と思われる職業を選んでもらった。

 すると、建築工事の現場監督、機械類の販売員、看守、レッカー車の運転手などの「男らしい」職種では、応募条件が外見不問であっても「美人」は1人も選択されなかった。また、外見が重要視されると考えられている車の販売員でも、「美人」は無視された。

 その反面、「女らしい」とされる受付や秘書などの職種では、「美人」は「美人でない人」より有利だった。

 次に研究チームは、顔写真の人物の履歴書も一緒に渡してもう一度選び直してもらう実験を行ったが、やはり「男らしい職種」では「美人」は1人も選ばれなかった。

 研究者らは、雇用主が採用の際にステレオタイプや外見にとらわれているとして、能力で判断するよう求めている。

■それでも美人はおトク

 たしかに「美人」は一部の職種では雇ってもらえない傾向があるが、それでも全体的に見ると得をしていると、研究チームは指摘している。

 就職したあと、「美人」は「美人でない人」よりも高い評価を受け、給料を上げてもらえる傾向がある。大学に入学申請した場合は許可される確率が高く、選挙に立候補すれば得票数が多く、裁判では有利な判決をもらえるといった傾向があるという。
 
 一方、男性の場合、「ハンサム」な人は職種の男らしさ、女らしさに関係なく、常に「ハンサムではない男性」よりも選ばれやすいことがわかった。(c)AFP