【8月9日 AFP】米ニュージャージー(New Jersey)州の控訴裁判所は5日、子ども3人にナチス・ドイツ(Nazi)に由来する名前を付けていた夫婦に対し、親権を認めないとする判断を下した。

 この夫婦はヒース・キャンベル(Heath Campbell、37)、デボラ・キャンベル(Deborah Campbell、27)夫妻。問題は、スーパーマーケットが夫妻の長男のバースデーケーキに「アドルフ・ヒトラー・キャンベル(Adolf Hitler Campbell)」という名前を入れることを拒んだことがきっかけで発覚した。

 夫妻はほかの2人の子どもにも、「ジョイスリン・アーリアン・ネーション(JoyceLynn Aryan Nation Campbell)」、「ホンスリン・ヒンラー・ジーニー(Honszlynn Hinler Jeannie Campbell)」というナチスにちなんだ名前を付けていた。3人の子どもたちは、2009年1月から児童養護施設で暮らしている。

 夫妻の名付けについて一審の家庭裁判所は、虐待の証拠不十分と判断していたが、控訴裁判所はソーシャルワーカーの調査から「子どもたちを虐待またはネグレクトから保護する必要があることは明白」だとして家裁の判断を覆した。

 報告書によると、子どもたちは、自宅で椅子に縛り付けられたまま長時間放置されるなどのドメスティック・バイオレンス(DV)を受けていたとされる。

 裁判記録によると、夫の方は医学的および精神的な障害があり、読み書きができず、職に就いた経験はなかった。妻の方も精神と身体に障害を抱えているという。(c)AFP