【8月8日 AFP】史上最悪の大規模な水害に見舞われたパキスタン北西部では6日から新たに強い雨が降り始め、救援活動が難航している。水害の影響を受けた人は発生からの約2週間で1500万人に達し、被災者の間には進まない政府の救援活動に対する不満の声も出ている。

 国連(UN)の支援物資を運ぶ予定だったヘリコプターは被災地への飛行を取りやめ、サイヤド・ユサフ・ラザ・ギラニ(Syed Yusuf Raza Gilani)首相も雨のため被災地訪問を1日延期した。雨は今後2日程度続くと予想されている。

 6日には同国北西部のローワーディール(Lower Dir)地区で、避難する人々を乗せたトラックが滑りやすくなった道路でスリップして水路に転落し、少なくとも11人が死亡、31人が負傷する事故も起きた。

 カイバル・パクトゥンクワ(Khyber Pakhtunkhwa)州(旧北西辺境州)の救援責任者は、州内で約1400人が死亡し、213人が行方不明になっていると語った。国連は、今回の水害で少なくとも1600人が死亡したと推定している。パキスタン全土で25万2000戸の住宅が損壊し、55万8000ヘクタールの農地が水に漬かった。

 洪水で村全体が水没した場所もあるほか、一部の発電所は操業停止に追い込まれた。もともと電力事情がひっ迫していたパキスタンはエネルギー危機に瀕している。電力が完全復旧するには数週間かかるとみられている。

 英国、中国、オーストラリア、フランス、米国は大規模な援助を表明した。国連難民高等弁務官事務所(UN High Commissioner for RefugeesUNHCR)の報道官は6日、「必要な援助の規模を考えると恐ろしくなる」と語った。(c)AFP/Hasan Mansoor