【8月9日 senken h】きらびやかなスポットライトがあたる芸術作品の裏には、さまざまな物語が秘められている。その奥行きがまた深みを増すのだろう。今回は、時代を超越したアートがテーマの3編の実話をクローズアップ。

■ 『セラフィーヌの庭』

 素朴派、もしくはモダン・プリミティブ派に属するフランス人画家を描いた『セラフィーヌの庭』。魂に突き動かされるままに描く植物画。その力強く想像力をかきたてる作風に魅了されたドイツ人の画商ウーデは、アンリ・ルソーやブラック等を見出し、ピカソとも親交が深かった。2人の運命的な出会いが、1人のアーティストの名を世に知らしめることとなる。主演のヨランド・モローは自他ともに認めるセラフィーヌ顔とか。

■ 『小さな村の小さなダンサー』

 世の中には多くの感動的な秘話があるが、『小さな村の小さなダンサー』もそんな1話だ。幼くして、たぐいまれなるダンサーとしての才能を見込まれたリー・ツンシンは、バレエの英才教育のため、親元から離れて北京の舞踏学校に入学。幾多の壁にぶつかりながら見事に才能を開花させ、アメリカでの研修のチャンスを得る。新たな発見と成功、恋人を愛するがゆえの結婚と引き換えに迫られる亡命、さらに祖国はもとより家族との永遠の別れ…。その結末はいかに。

■ 『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』

 開館以来初の大規模な改装工事に着手し08年再オープンのはずが、未だ完成予想すら定かでない。リアルな舞台裏を描写したドキュメンタリーが『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』。レンブラントやフェルメールなどオランダ絵画の黄金期である17世紀の作品を中心に、アジア美術など全5部門構成のコレクションも準主役として時折登場。建築プランの変更などオランダの国民性にふり回され、「これは民主主義ではない。民主主義の悪用だ」と語るスペイン人建築家ユニットの1人など当事者たちの思いとは裏腹に、はたで見る者の目には時としてコメディー風にも映ったりして。(c)senken h / text:宇佐美浩子

【関連情報】
特集:senken h 105
『セラフィーヌの庭』 公式サイト
『小さな村の小さなダンサー』 公式サイト
『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』 公式サイト