【7月31日 AFP】英国のスーパーで、リスの肉が「持続可能な」食品として販売されたことに対し、「野生動物の大虐殺」で金もうけをしていると動物愛護活動家らから非難が集まる中、リス肉を販売するスーパーのオーナー、アンドリュー・ソーントン(Andrew Thornton)さんは29日、「持続可能(サステイナブル)な」食品だと述べ、リス肉の販売を弁護した。

 ロンドン(London)北部でスーパーチェーン「バジェンズ(Budgens)」の店舗を経営するアンドリュー・ソーントンさんは、AFPに対し、「数年後にはウサギの肉と同様になるよ」と語った。

 ソーントンさんは、1トンの牛肉を生産するためには15トンの穀物が必要だと指摘し、「リスは野生に生息しており、周囲に多すぎるほどいる」「リスはとてもサステイナブルな肉なんだ」と語った。

 かつて英国で一般的な食材だったリス肉は近年、人気を取り戻しており、専門業者やレストランで販売され、リスのラグー(シチュー)やリスのモツの串焼きなどのレシピを料理するセレブシェフらも支持を表明している。

 灰色リスは19世紀に持ち込まれて以降、爆発的に繁殖したため、灰色リスを食材にすることは徐々に認知され始めている。また、英国在来種のアカリスが保護対象となった現在、アカリスを保護するために灰色リスの駆除を提唱する団体もいくつかある。

 ソーントンさんは、今はリス肉の在庫を切らしているが、「買い求める顧客が大勢」いたとのことで、これまで1週間あたり10~12匹のリスを販売した。肉はイングランド東部サフォーク(Suffolk)の食肉業者から仕入れている。

 一方、動物の権利団体は激しく抗議している。

 動物愛護団体「Viva!Vegetarians International Voice for Animals)」のJuliet Gellatleyさんは、「保護団体などといわれる団体が、アカリス繁殖のために灰色リス数千匹を殺処分することは、理不尽で非人道的で失敗する運命にある。だからバジェンズが野生動物の大虐殺から利益を得ているのは、とても悲しいことだ」と語った。(c)AFP

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