【7月28日 AFP】米カリフォルニア(California)州で、収集家の男性が45ドル(約4000円)で購入した写真の乾板(ガラスのネガ)が、著名写真家アンセル・アダムス(Ansel Adams、1902~1984)のものであることが分かった。

 美術教師で収集家でもあるリック・ノーシジアン(Rick Norsigian)さんと弁護士が27日、報道陣に明らかにしたところによると、ノーシジアンさんは10年ほど前カリフォルニア州フレズノ(Fresno)のガレージセールで写真乾板65枚を45ドルで購入し、これを鑑定作業に出していた。

 このほど鑑定作業が終了。その結果、乾板はアンセル・アダムスのもので、2億ドル(約176億円)の価値があることが分かったという。

 ノーシジアンさんによると、鑑定には写真の専門家だけでなく、筆跡鑑定家や、撮影当時の天候を確認するため気象専門家らの協力も必要で、非常に難しい作業だったという。弁護士は絵画と異なり写真には作家の署名もなく、撮影者を決める決定的な鑑定法は確立されていないと語った。

 米テレビCNNとのインタビューで、2億ドルを手にしたら何をしたいかと尋ねられたノーシジアンさんは、「まず家族と休暇を過ごしたい」と話した。

 アダムスは主に米国西部の景観を好んで撮影した、20世紀を代表する風景写真家。特にヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)を撮影した作品が有名。1937年に暗室で起きた火災で、全作品の約3割にあたる5000枚近くのネガが焼失した。焼失した中には一度もプリントされていないネガも多く含まれていた。(c)AFP