【7月28日 AFP】オーストラリアの考古学者が東ティモールで巨大なネズミの骨格化石を発掘し、その詳細を米自然史博物館(American Museum of Natural History)の会報で発表した。

 発掘を主導した豪州連邦科学産業研究機構(Australian Commonwealth Scientific and Research OrganisationCSIRO)のケン・エイプリン(Ken Aplin)氏によると、この小型犬ほどの大きさのネズミは、2000年から1000年前ごろまで同地に生息していた。大きなものは、体重が6キロもあったという。だが、鉄器が普及し農地確保のために大規模な森林伐採が行われるようになったため、絶滅したとみられる。

 エイプリン氏によると、現在、地球上に生息する哺乳類の40%をネズミ、リス、ビーバーなどのげっ歯動物が占めている。げっ歯動物は土壌の保全や種子の拡散など、生態系維持において重要な役割を果たしている。こうしたことから、エイプリン氏は、今回の巨大ネズミの骨格発見が、げっ歯動物保護の重要性の再確認につながればと期待している。

 現在生息しているネズミ類のなかで最大のものは、フィリピンやパプアニューギニアの熱帯雨林に生息している体重2キロほどのネズミだ。だが、エイプリン氏は、いまだ未開の地となっている東ティモールの山岳地帯にも、まだ確認されていない大型ネズミ種が生息している可能性があるとも指摘している。(c)AFP