【7月26日 AFP】世界最高のグレゴリオ聖歌の女性歌手を探していた音楽大手ユニバーサル・ミュージック(Universal Music)は25日、仏ベネディクト会の修道女たちと音楽アルバム契約を結んだことを発表した。

 ユニバーサルと契約したのはフランス南部アビニョン(Avignon)そばのベネディクト会修道院の修道女たち。1日に8回、聖歌を歌っており、11月にはアルバムでその歌声を聞くことができるようになる。

 修道女たちは修道院からの外出を認められておらず、また訪問客もめったに修道院の中に許されることがない。

 ユニバーサルの発表した声明によると、Abbaye de Notre-Dame de l'Annonciation修道院のPlacide Devillers修道院長は「こちらから依頼したのではなく、向こうからわたしたちを探し求めてやってきました」と語った。

   「最初は、修道院生活に影響を及ぼすのではないかと心配しましたが、聖ヨセフへ祈りをささげてたずねました。わたしたちの祈りは応えられ、このアルバムが人々の人生に感動ややすらぎを与えられるのであれば、良いことではないかと思いました」

 修道女たちの世俗と離れる誓約を守るため、録音エンジニアたちは、修道女たちが別の場所にいっている間だけ修道院に入ることを許され、礼拝堂にマイクを設置して別の部屋に移り、そこから指示を出してレコーディングを行った。

 ユニバーサルによれば、アルバムの宣伝のため、修道女たちはテレビコマーシャルの撮影と、アルバムのジャケットのための写真を自分たちで撮影する予定。

 ユニバーサル・ミュージックは、2008年のオーストリアのハイリヘンクロイツ修道院シトー会修道士によるアルバム「チャント~天空の歌声」の成功に触発され世界中の修道院を調査。70か所を超える修道院の中から、この修道院が選ばれた。(c)AFP