【7月23日 AFP】オランダ・ハーグ(Hague)の国際司法裁判所(International Court of JusticeICJ)は22日、2008年にコソボがセルビアからの独立を宣言したのは国際法に違反しないとの判断を示した。

 小和田恒(Hisashi Owada)所長は満場の法廷で、「国際法に独立宣言を禁止する条文はない」と述べた。判断に法的拘束力はないものの、コソボでは人口の9割を占めるアルバニア系住民が歓喜し、車のクラクションを鳴らすなどして祝った。ファトミル・セイディウ(Fatmir Sejdiu)大統領は、独立をめぐるすべての疑念が取り除かれたと語った。

 一方、セルビアのボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領は、「コソボの独立は認めない」と発言。セルビアのブーク・イェレミッチ(Vuk Jeremic)外相は、コソボ北部に多く暮らす少数派のセルビア人に対し、冷静を保つよう求めた。

 コソボはもともと、旧ユーゴスラビア連邦セルビア共和国の自治州だったが、1998~99年に独立派のアルバニア系住民とセルビア人の民族紛争が激化。北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganizationNATO)のユーゴ空爆を経て紛争が終結したあと、国連(UN)暫定統治下に置かれた。07年に国連の仲介によるコソボの地位確定交渉が決裂すると、08年に一方的に独立を宣言した。(c)AFP/Mariette le Roux