【7月15日 AFP】(写真追加)サルとヒトの分岐点は、定説よりも数百万年ほど新しい2800万~2400万年前である可能性があるとの論文が、15日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 米ミシガン大(University of Michigan)などの研究チームは前年、サウジアラビア西部で、新種の頭骨化石を発掘した。「Saadanius hijazensis」と名づけられた化石には、サルと類人猿とヒトの最も新しい共通祖先である「狭鼻猿類」の特徴があったという。

 これまでのゲノムベースの分析では、ヒトや類人猿の「ホミノイド(ヒト上科)」が「旧世界ザル(オナガザル上科)」から分岐したのは3500万~3000万年前とされてきた。しかし今回発見された化石が約2800万年前のものであったため、サルとヒトの共通祖先が「進化の木」のもっと上に位置していた可能性が出てきたという。

 霊長類の進化の過程には、化石が見つかっていない空白の時期もあり、その謎の解明への期待もかかる。(c)AFP