【7月14日 AFP】スイス人にとって夏休みは海に出かけるのが定番だが、最近、流行しているのが山で牛たちと過ごす夏休みだ。

 スイス東部ラ・レシェレット(La Lecherette)で酪農業を営むミシェル・イゾース(Michel Izoz)さんが、「ストレスの多い生活を送る都会の人々に山で暮らす機会になれば」と、乳牛たちの里親プロジェクトを始めたのは5年前。以来、都市部に住むスイス人の間で人気が高まっている。

 里親プロジェクトの対象となるウシは約20頭で、関心を持った人はウェブサイト上の写真から気に入ったウシを選ぶことができる。イゾースさんによると「本物の牛っぽい」ということで角のあるウシに人気が集まっているという。

 里親費用は1シーズンにつき280ユーロ(約3万1500円)で、シーズン中は何度でも農場を訪れて里子のウシと触れ合うことができる。知人へのプレゼントとして里親に申し込む人も多いという。

 このプロジェクトには、農家の生活の実態を知って欲しいとの願いも込められている。

 このため、プロジェクトでは里親に、4時間以上、農場の仕事を手伝うことを義務付けている。これには牛舎の見回りや、まき割り、チーズ造りなどの仕事が含まれ、参加者らは酪農業の仕事の厳しさに驚くという。参加者の1人は、「山での仕事は週7日間、休みがない。日曜日もないし休暇だってほとんどとれないと分かった」と語っている。(c)AFP/Alexandra Troubnikoff