ドン ペリニヨン醸造最高責任者、リシャール・ジェフロワ氏が語るメゾンのDNA
このニュースをシェア
(醸造最高責任者)、リシャール・ジェフロワ(Richard Geoffroy)氏。(c)MODE PRESS/Ken SHIMIZU
【7月6日 MODE PRESS】その名は誰もが知っているラグジュアリーシャンパン、ドン ペリニヨン(Dom Pérignon)。17世紀後半、盲目の修道士ドン・ピエール・ペリニヨンによってこの世に生み出された“奇跡の泡”は、現在、シェフ・ド・カーヴ(醸造最高責任者)のリシャール・ジェフロワ(Richard Geoffroy)氏によって「シャンパンの王様」たる所以とその伝統が受け継がれている。
1990年の就任から20年を経てあらためてリシャール氏が考える、ドン ペリニヨンとは?次の世代へ伝えるようとするメゾンのDNAについて熱く語ってもらった。
■リシャール・ジェフロワ氏
-一言でいうならば・・・
ドン ペリニヨンというブランドは、レボリューション(革命)なのです。シャンパン造りにおいて、いつの時代も常に挑戦をし続けてきた。このブランドは、進化し続けるのです。ドン ペリニヨンの伝統とは、進歩的であること。もちろん、ステイタスやクラシカルという言葉も当てはまりますが、従来のものとはまったく違った新しいものを造り出すということ。しかし、神髄は変わらない。というより、ぶれないといっていいでしょう。
-パラドックス~2面性、そして魂が宿る真髄
ヴィンテージこそが我々にとって重要なのです。長い歴史の中で刻まれた道。それは、ほかと違う特殊性であり、独自の世界観。上下ではなく、異世界なのです。「パラドックス」という言葉をよく用いるのですが、ドン ペリニヨンがドン ペリニヨンたる所以こそ、パラドックスなのです。つまり、2面性があるということです。いろんな側面があるけれど、1つの次元のものだけではない。違う2つのものをあわせること、人の手を加えることによって、表面的でなく完成する。浄化するという言葉に似ているかもしれませんね。綱渡りのようなことをすることで、特別なこと、つまりリスクをとることで1つプラスアルファの魂が宿るとでもいうんでしょうか。
-常に革新的であれ
ヴィンテージを造るというのは、ドン ペリニヨンにとって基本的な考え方と先ほど申しましたが、これこそがドン ペリニヨンにとっての哲学なのです。ヴィンテージ=新しいものをもう一度造る。違うアングルから語ることだと思っています。制約を課すことを好機ととらえ挑戦するスタイルは、ピエール・ペリニヨン僧がシャンパンを造り始めた頃と変わりません。
-ミッションとDNAの伝達
ドン ペリニヨンにおいて私の役割は、掟、ルールを守ることといっていいでしょう。伝統を守ることにおいては、テクニックなどは、ほんの一部分にしか過ぎないんです。若手の育成にも共通することですが、最大の秘訣は継続性にあると思います。先を読み、どんな人材がいるのか把握することが重要。これから良い後継者を育てることも私の大切な役割であり、重要課題でもあります。彼らに感覚的なこと、インスピレーションの部分を伝えること、共有することはさほど大変なことではない。自分自身が持っていることを大切にしてあげることです。後押ししてあげること、道しるべをたててあげることだと思います。かつて自分もそうであったように、ドミニク・フーロン氏(先代のシェフ・ド・カーブ)からドン ペリニヨンのDNAを受け継いだ。本質的なことのみを伝えることに重点を置き、あとは任せることですね。
-マニフェスト~世界最高のワインを造る
昨年、ドン ペリニヨンのシャンパン造りの基本を示す「マニフェスト」を発表しました。その中にもありますが、「ドン ペリニヨンは新しいヴィンテージのたびに生まれ変わる、きわめて卓越した存在」と定義づけています。シャンパーニュメゾンがこのようなことを発表すること自体、過去にありませんでした。しかし、今までのドン ペリニヨンの道筋を書いて残したいという気持ちがこの数年で一気に芽生えたのです。自分自身の肝に銘じる意味も含め、そして次の世代へと伝えていくためにも必要だと考えました。なによりも世界中で愛し、飲んでくださる大勢の方々に対して、メゾンとしての責任や想いを形にしたかったのです。
-ワインと向き合う
その年にヴィンテージを発表するか否かは、醸造最高責任者である私にゆだねられます。ヴィンテージに対するこだわりは絶対無二のもの。もし優れたワインができない場合はその ヴィンテージを発表しないという代償を伴います。忍耐強く、何年もの間、「その時」を待ちます。その「時」は、ある日突然訪れるのです。自分とワインがピッタリくる瞬間があるのです。大事なのは、常に一歩下がって、客観性を持つこと。同時にどっぷりと入れるように向き合うこと。この2つ。非常にセンシュアルなものです。そして、肉体的なものであり、感動的なもの。その「瞬間」、ヴィンテージを発表することを決意するのです。(c)MODE PRESS/岩田奈那
【関連情報】
◆AFPBB News特集:ドン ペリニヨン
◆マーク・ニューソンが「ドンペリ」クーラーをデザイン
◆クラウディア・シファー「ドン ペリニヨン」新作発表記念パーティーを共催
1990年の就任から20年を経てあらためてリシャール氏が考える、ドン ペリニヨンとは?次の世代へ伝えるようとするメゾンのDNAについて熱く語ってもらった。
■リシャール・ジェフロワ氏
-一言でいうならば・・・
ドン ペリニヨンというブランドは、レボリューション(革命)なのです。シャンパン造りにおいて、いつの時代も常に挑戦をし続けてきた。このブランドは、進化し続けるのです。ドン ペリニヨンの伝統とは、進歩的であること。もちろん、ステイタスやクラシカルという言葉も当てはまりますが、従来のものとはまったく違った新しいものを造り出すということ。しかし、神髄は変わらない。というより、ぶれないといっていいでしょう。
-パラドックス~2面性、そして魂が宿る真髄
ヴィンテージこそが我々にとって重要なのです。長い歴史の中で刻まれた道。それは、ほかと違う特殊性であり、独自の世界観。上下ではなく、異世界なのです。「パラドックス」という言葉をよく用いるのですが、ドン ペリニヨンがドン ペリニヨンたる所以こそ、パラドックスなのです。つまり、2面性があるということです。いろんな側面があるけれど、1つの次元のものだけではない。違う2つのものをあわせること、人の手を加えることによって、表面的でなく完成する。浄化するという言葉に似ているかもしれませんね。綱渡りのようなことをすることで、特別なこと、つまりリスクをとることで1つプラスアルファの魂が宿るとでもいうんでしょうか。
-常に革新的であれ
ヴィンテージを造るというのは、ドン ペリニヨンにとって基本的な考え方と先ほど申しましたが、これこそがドン ペリニヨンにとっての哲学なのです。ヴィンテージ=新しいものをもう一度造る。違うアングルから語ることだと思っています。制約を課すことを好機ととらえ挑戦するスタイルは、ピエール・ペリニヨン僧がシャンパンを造り始めた頃と変わりません。
-ミッションとDNAの伝達
ドン ペリニヨンにおいて私の役割は、掟、ルールを守ることといっていいでしょう。伝統を守ることにおいては、テクニックなどは、ほんの一部分にしか過ぎないんです。若手の育成にも共通することですが、最大の秘訣は継続性にあると思います。先を読み、どんな人材がいるのか把握することが重要。これから良い後継者を育てることも私の大切な役割であり、重要課題でもあります。彼らに感覚的なこと、インスピレーションの部分を伝えること、共有することはさほど大変なことではない。自分自身が持っていることを大切にしてあげることです。後押ししてあげること、道しるべをたててあげることだと思います。かつて自分もそうであったように、ドミニク・フーロン氏(先代のシェフ・ド・カーブ)からドン ペリニヨンのDNAを受け継いだ。本質的なことのみを伝えることに重点を置き、あとは任せることですね。
-マニフェスト~世界最高のワインを造る
昨年、ドン ペリニヨンのシャンパン造りの基本を示す「マニフェスト」を発表しました。その中にもありますが、「ドン ペリニヨンは新しいヴィンテージのたびに生まれ変わる、きわめて卓越した存在」と定義づけています。シャンパーニュメゾンがこのようなことを発表すること自体、過去にありませんでした。しかし、今までのドン ペリニヨンの道筋を書いて残したいという気持ちがこの数年で一気に芽生えたのです。自分自身の肝に銘じる意味も含め、そして次の世代へと伝えていくためにも必要だと考えました。なによりも世界中で愛し、飲んでくださる大勢の方々に対して、メゾンとしての責任や想いを形にしたかったのです。
-ワインと向き合う
その年にヴィンテージを発表するか否かは、醸造最高責任者である私にゆだねられます。ヴィンテージに対するこだわりは絶対無二のもの。もし優れたワインができない場合はその ヴィンテージを発表しないという代償を伴います。忍耐強く、何年もの間、「その時」を待ちます。その「時」は、ある日突然訪れるのです。自分とワインがピッタリくる瞬間があるのです。大事なのは、常に一歩下がって、客観性を持つこと。同時にどっぷりと入れるように向き合うこと。この2つ。非常にセンシュアルなものです。そして、肉体的なものであり、感動的なもの。その「瞬間」、ヴィンテージを発表することを決意するのです。(c)MODE PRESS/岩田奈那
【関連情報】
◆AFPBB News特集:ドン ペリニヨン
◆マーク・ニューソンが「ドンペリ」クーラーをデザイン
◆クラウディア・シファー「ドン ペリニヨン」新作発表記念パーティーを共催