【7月4日 AFP】大統領就任の宣誓で、特権の排除を誓ったフィリピンのベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)新大統領(50)が宣誓から2日目、マニラ(Manila)で渋滞に巻き込まれたが公約どおり「庶民と同じように」、渋滞に甘んじて軍のパレードに40分遅刻した。

 アキノ氏はマニラ郊外からの約5キロの移動中、大統領の移動だからといって特別な措置はとらず、信号のとおりに停止し、乗っていたリムジンの運転手に公営バス用の車線は使用しないよう命じた。

 同行取材していたジャーナリストによると「アキノ氏は黄色車線(バスレーン)に入ることを拒否し」、護衛していた警官隊がサイレンを使用することも止めたと言う。朝のラッシュ時間で車列が立ち往生するたびに、大統領の警護要員がいちいち車から降りて警備にあたった。

 故コラソン・アキノ(Corazon Aquino)元大統領の長男であるアキノ氏は、汚職との戦いを誓い、権力をもつ者が特権を行使しがちなフィリピンの文化を変えるとして、5月の大統領選で圧倒的勝利を収めた。

 エドウィン・ラシエルダ(Edwin Lacierda)大統領報道官は軍のパレード前日に、「一般市民と同じような扱いを受けたい」というアキノ氏の要望がボディガードたちをおおいに悩ませていると明かした。そして翌日起こったこの一件を見越すかのように、「大統領がサイレンを使用しても誰も怒ったりしないだろう」と語っていた。(c)AFP