【7月1日 AFP】スイスの時計大手スウォッチ・グループ(Swatch Group)は28日、創業者で代表取締役会長のニコラス・G・ハイエック(Nicolas Hayek)氏が同日、心不全のため執務中に死去したと発表した。82歳だった。

  スウォッチ・グループの傘下には「スウォッチ」のほかに、「ブレゲ(Breguet)」や「オメガ(Omega)」「ブランパン(Blancpain)」「ロンジン(Longines)」「ティソ(Tissot)」などの時計ブランドがある。

 レバノン・ベイルート出身のハイエック氏はスイスの時計産業を不振から救い、同国を代表するビジネスリーダーとして広く知られた。同グループは「ニコラス・G・ハイエックの最大の功績は、スイスの時計産業の救済という多大な貢献とともに、スウォッチ グループを創業し大きな成功に導いたことだった」と声明を発表。

 1980年代、スイスの時計産業は、大量生産される日本製の時計に押され苦境に陥っていた。それに対抗すべく、ハイエック氏は手頃でオリジナルティ溢れるプラスチック製の時計「スウォッチ(Swatch)」を発案。時計市場に新しい命を吹き込み、同社を時計業界最大手に育て上げた。

 同じくスイスに拠点を置くリシュモン・グループ(Richemont)のヨハン・ ルパート(Johann Rupert)会長兼CEOは「ハイエックの死はスイスの時計業界において大きな喪失だ。彼はスイスの時計製造における立役者だった。指導者であり、救世主だった。我々の業界は、偉大なる人物のひとりを失った。ユーモア溢れ、真剣で、人をひきつける魅力があり、彼を知る全てのひとに尊敬されていた」と偲んだ。
 
 前向きで、率直で、カリスマ性のあるハイエック氏は、スウォッチ・グループのトップ・アンバサダーとしても活躍した。公開イベントなどでは、両腕につけた時計をカメラに披露するハイエック氏の姿が見られた。(c)AFP

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