【6月29日 AFP】中国南西部、貴州(Guizhou)省関嶺(Guanling)県の大寨(Dazhai)村で28日、降り続いた豪雨の影響で山崩れが発生し、107人が生き埋めになった。一夜明けた29日も、約600人の救助隊員が懸命の捜索を行っているが、生存者がいる可能性はごくわずかだという。地元当局者がAFPに語った。

 国営テレビは、広い範囲にわたり住居などを押しつぶしたと見られる泥の中を歩く救助隊員の姿や、現場に到着した重機が泥や岩を取り除いている様子を放送した。

 発生時に自宅にいてどうにか脱出できたという男性は、山崩れの音を聞いて皆に逃げろと言ったが、自分の後ろにいた何人かが生き埋めになったのを見たと語った。

 中国では、南部や東部、中央部でこの2週間以上にわたって豪雨が続き、洪水や山崩れが相次いで発生していた。中国政府当局によると、今月だけで豪雨に関連した事故などで、少なくとも235人が死亡、100人以上が行方不明になっている。

 自宅から避難を余儀なくされた人は数百万人にのぼっているほか、当局が27日に発表した集計によると、約6900万人が豪雨被害にあっているという。

 中国国営新華社(Xinhua)通信によると、中国南部での今年の洪水被害は、3600人以上が死亡し2000万人が被害を受けた1998年以来、最悪の水準だという。

 中国政府が前週末に発表した集計によると、今年の洪水による死者数は少なくとも379人、経済損失は824億元(約1兆700億円)に上るという。(c)AFP/Marianne Barriaux