【6月29日 AFP】米連邦最高裁は28日、拳銃の所持を禁じたシカゴ(Chicago)市の銃規制法は違憲との判断を示した。

 最高裁判事の間でも違憲支持が5人、合憲支持が4人と見解が分かれたが、違憲を支持したサミュエル・アリート(Samuel Alito)判事は、米国憲法は自衛のための銃保有権を保障していると語った。

 2008年に最高裁が示した、個人の武器保有権は憲法修正2条によって保障されているとの判断が、全米の各州・自治体に適用された形で、銃規制を導入している州や自治体にとっても、今後、厳しい展開が予想される。

 最高裁での違憲判断は、銃所有支持派には大勝利となる一方、米国での銃規制を求める運動を続けてきた人びとには苦い結果となった。

 全米ライフル協会(National Rifle AssociationNRA)は「米国史における偉大な瞬間だ。多くの米国人の、憲法修正2条が保障する個人の権利と自由は守るに値するとの信念が正しかったことが証明された」との声明を発表し、最高裁の判断を歓迎した。 

 一方、銃規制を求めてきた団体も、米国では年間3万人が銃によって死亡しているとの数値を示して最高裁判断への異議を唱えた。こうした団体は、銃による死者のうち1万2000人は殺人によるものであり、米国内では推定2億丁もの銃が流通していると主張している。(c)AFP/Alex Ogle