【6月29日 AFP】経営難に陥っていた仏高級紙ルモンド(Le Monde)の売却先が富豪や起業家を含む仏実業家3人のグループに決まった。ルモンドの取締役会で同グループの買収に11人が賛成したと、内情に近い筋が28日、AFPに対し明らかにした。

 これまでにフランステレコム( France Telecom)傘下のオレンジ(Orange)もルモンド買収に関心を示していたが、28日までに買収からの撤退を表明。このため、仏実業家グループのみが残った。

 フランステレコムによるルモンド買収をめぐっては、左派系の実業家グループによる買収を阻止したいニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領の働きかけがあったとされる。

 売却先の実業家グループは、インターネットのセックスチャットサービスで財を成し、格安プロバイダーFreeで大成功を収めたIT起業家のハビエル・ニエル(Xavier Niel)氏(42)、ファッションデザイナー、故イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)氏のパトロンとして知られるピエール・ベルジェ(Pierre Berge)氏(79)、投資銀行ラザール(Lazard)の経営陣で娯楽誌Les Inrockuptiblesのオーナーのマシュー・ピガス(Matthieu Pigasse)氏(41)の3人。
 
 3人はルモンドの編集者やジャーナリスト労組に対し、編集権の完全維持と重大な経営決定に対する拒否権を約束したという。

 声明文の中で、3人は「ルモンド紙は共有の財産」との考えを示しており、ルモンド・グループの資本構成変更の協議を29日に開始し、9月末までに資本変更手続きを全て完了させる見通しだ。

 ルモンド紙は、連合軍がナチス(Nazis)ドイツからパリ(Paris)を解放した1944年に創刊された有力仏語新聞。だが、インターネットの台頭と共に経営が悪化し、負債は1億ユーロ(約110億円)にまで膨れ上がった。このため生き残りをかけて身売り先を探していた。(c)AFP/Rory Mulholland