【6月25日 AFP】イタリア・ミラノ(Milan)にある国際的に著名なオペラ劇場、スカラ座(La Scala)前で24日、劇場の出演者らが私服で演奏し、イタリア政府が予算削減を掲げている国立オペラ劇場の改革案に抗議した。

 スカラ座では今週、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相が推進する改革案に反対する出演者やスタッフによるストライキで、予定されていたシャルル・グノー(Charles Gounod)作『ファウスト(Faust )』の公演が数回にわたってキャンセルに追い込まれている。スカラ座のオーケストラの楽団員や合唱団員は、前週18日の『ファウスト』初日でも、抵抗の意志を示すため衣装に着替えず私服で公演した。

 この国立オペラ劇場の改革案に対しては、出演者・アーティストの間で強い抗議の声が上がっており、ここ数か月、各地で劇場のストライキが相次いでいる。

 すでに上院を通過し、29日に下院で審議される同改革案には、助成金付与条件の厳格化や、新団員の採用停止、ボーナスの半減、雇用条件の改変などによる経費削減策が含まれている。

 イタリアのオペラ産業は政府から現在、年間2億6000万ユーロ(約290億円)の助成金を受けているが、サンドロ・ボンディ(Sandro Bondi)文化相は4月、今回の改革案について「経営を効率化し、支出を合理化するものだ」と述べている。(c)AFP