【6月24日 AFP】英国の保守・自由民主党連立政権は22日、日本の消費税に相当する付加価値税(VAT)の2.5%引き上げなどを盛り込んだ緊急予算案を発表した。景気の回復を妨げるとの批判が前与党・労働党から出ているのに対し、ジョージ・オズボーン(George Osborne)英財務相は23日、労働党の前政権が国家財政を「ひどい混乱状態」に陥れたせいだと主張し、予算案を擁護した。

 緊急予算案は、商品やサービスに課されるVATを2011年1月に現行の17.5%から20%に引き上げることや、年収2万1000ポンド(約280万円)以上の公務員の昇給の2年間凍結、銀行への課税、福祉支出の削減などが柱となっている。

 オズボーン財務相は英民放ITVの朝のテレビ番組『GMTV』で予算案について、「厳しいが公平」だと主張。「財政赤字は巨額だ」「問題を解決しなければ経済への打撃となり、国民は職を失い、福祉政策は手のつけられない状態になる」などと述べ、財政赤字を放置すればより深刻な経済問題に発展すると論じた。

 欧州でも群を抜いて巨額な英国の財政赤字をめぐっては懸念が高まっていた。ただ、保守党と連立を組む自由民主党は5月の選挙戦で、貧困層ほど打撃が大きいとしてVAT引き上げに反対しており、同党は大きな圧力にさらされている。(c)AFP