【6月24日 AFP】古代エジプト王朝のツタンカーメン(Tutankhamun)王は、マラリアではなく、遺伝性の血液疾患「鎌状赤血球症(SCD)」で死亡した可能性があるとの研究が23日、米医学誌「米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)」オンライン版に発表された。

 死因に関しては今年2月、エジプト、イタリア、ドイツの国際チームが、DNA鑑定やCTスキャンなどによる研究の結果、「王は免疫不全の状態で、おそらく落下により、突然足を骨折したために命にかかわる状態となって、マラリアに感染し死亡した」との見解を示した。

 だが、独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所(Bernhard Nocht Institute for Tropical Medicine)のチームがこのほど放射線を使ってミイラの足を詳細に調べたところ、SCDの形跡が認められたという。

 SCDは最も一般的な遺伝性疾患の1つで、赤血球の一部が通常の球状ではなく鎌状になって血流が阻害され、慢性痛や感染症、組織死をもたらすというもの。

 研究者らは、真の死因を究明するためにさらなるDNA鑑定を行う必要があるとしている。(c)AFP