【6月22日 AFP】アフガニスタン政府と国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and CrimeUNODC)は21日に発表した報告書の中で、アフガニスタン国民の8%が麻薬中毒の状態にあると指摘した。これは世界平均の2倍で、世界最大の麻薬産出国であるアフガニスタンで、麻薬中毒が深刻な問題となっていることが明らかになった。

 報告書によると、15~64歳の国民のうち、約100万人がアヘンやヘロインの中毒者だという。

 UNODCのアントニオ・マリア・コスタ(Antonio Maria Costa)事務局長は記者会見で、「30年におよぶ戦争関連のトラウマ、安価な麻薬が簡単に入手できること、治療機会が限られていることなどが、アフガニスタンにおける麻薬中毒問題を大規模に拡大させている」と指摘した。

 アフガニスタンは、ヘロイン製造の原料となるアヘンの世界最大規模の生産国であるが、報告書は、北部や南部の麻薬使用者が自分の子どもにも麻薬を与えていることが中毒拡大の一因となっているとしている。

 報告者によると、麻薬生産が増加するに従い、過去5年間のアヘン常用者は53%増、ヘロイン常用者は2倍に増加しているという。(c)AFP