【6月18日 AFP】酒の酔いをさまし二日酔いを緩和する効能をうたう「魔法の飲料」が18日、フランスで発売される。

 発売元が「革新的製品」と表現する「アウトックス(Outox)」は、缶入りの炭酸飲料。発売イベントのメディア向け招待状の説明によると、血中のアルコールを「驚くべきスピード」で分解するという。

 しかし、専門家やアルコール問題の活動家からは、飲料の効果は科学的に証明されていないとの指摘や、飲酒量の増加や飲酒運転を助長する製品だとの批判の声も上がっている。

 反アルコール活動団体「ANPAA」のアラン・リゴー(Alain Rigaud)代表は15日、メーカーの発売発表を受けて、「もし誰かが血中アルコール濃度を本当に下げることのできる製品を発明したのなら、ノーベル賞ものだ」と述べた。「Outoxによって、人々が体内のアルコール濃度を確認せず運転する危険が高まる」

 これに対し、発売元の広報担当は「医学的検査を実施しており、効果が確認されている」と主張する。

 ウェブサイトで「まさにマジック」とうたわれているアウトックスは、ベルギーの企業が開発し、その後ルクセンブルク企業のアウトックス・インターナショナル(Outox International)に製造ライセンスが譲渡された。フランスでの販売契約は現在、交渉中だという。類似飲料は、カナダなど複数の国ですでに販売されている。(c)AFP