【6月17日 AFP】地球から60億キロ離れたカイパーベルト天体(Kuiper Belt ObjectKBO)の小さな岩石「KBO 55636」の大きさを数キロ以内の誤差で測定し、表面が氷のように白いことも見いだしたとする研究結果が、16日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。
 
 カイパーベルト天体は海王星よりも外側の、太陽から49億5000万~82億5000万キロの距離を周回する小天体で、これを構成する岩石群は太陽系の惑星生成過程で残されたものと考えられている。

 米マサチューセッツ工科大(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)のジェームズ・エリオット(James Elliot)教授(天文学)は、KBO 55636を5年間追跡し、2009年10月9日に星食が起こることを突き止めた。

 当日、多数の望遠鏡が食の起こる方向に向けられ、実際にはハワイのプロ・アマが操作するそれぞれ1基の望遠鏡が観測に成功した。これは、10秒だけ姿を見せる1ユーロ硬貨を500キロ離れた距離から撮影するような難しさだった。

 両方の望遠鏡が撮影した複数の画像を比較分析した結果、KBO 55636の半径は143±5キロと予想より小さいことがわかった。表面温度はマイナス224度だった。

■宇宙理論に反する表面の輝き

 最も驚くべき発見は、表面が輝いており、太陽系内最大規模の光度を持っていた点だった。これは、氷に覆われていることを示している。

 だが、謎は残る。宇宙は厳しい環境であり、約10億年前に明るい巨大岩石が割れてできたKBO 55636のような古い天体は、年月と共に風化し、積もったちりや太陽放射の影響で暗くなっていくはずだ。

 そのため現在は、KBO 55636の表面がなぜ白いのか、宇宙風化作用や太陽系外縁部に関するこれまでの理論を再構築する必要があるのかなどの研究が行われている。(c)AFP