【6月16日 AFP】パキスタンで14日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者を捕まえて殺害しようとしていた米国人男性が、地元当局に拘束された。

 この男性は、建設作業員のゲーリー・ブルックス・フォークナー(Gary Brooks Faulkner)氏(50)。フォークナー氏は、アフガニスタンにも近く、かつてビンラディン容疑者の隠れ家があったとうわさされるパキスタンのチトラル(Chitral)で拘束された。ピストルやダガーナイフ、剣などで武装し、暗視装置も所持していたという。

 フォークナー氏は、米政府が2500万ドル(約23億円)の懸賞金をかけているビンラディン容疑者を追跡していたと見られている。米メディアは15日、「アメリカン・ニンジャ」として報じている。

 一方、同氏の兄弟であるスコット・フォークナー(Scott Faulkner)氏は15日、米CNNテレビに対し、「彼は2001年9月11日の米同時多発テロと、ビンラディン容疑者がキリスト教を愚弄(ぐろう)したことに怒っていた」と語り、懸賞金目当てではなく、愛国心からの行動だったと語った。 

「彼は狂っているわけではない。非常に頭が良く、愛国心があり、ビンラディン容疑者が米国にしたことを忘れていないのだ」(スコット氏)

 ビンラディン容疑者は現在50代で、体調を崩しているとの情報もある。同容疑者の潜伏先ははっきりしていないが、アフガニスタンとパキスタンの国境の山岳地帯にいるのではないかと報じられている。米政府はこの山岳地帯について、世界中で最も危険な場所だとしている。(c)AFP