【6月15日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は14日、4度目となる米南部のメキシコ湾(Gulf of Mexico)の原油流出被災地の視察を開始した。

 15日までの日程で、大きな被害が出ている沿岸のアラバマ(Alabama)、ミシシッピ(Mississippi)、フロリダ(Florida)の各州をまわる。4月20日の事故発生後、同大統領が泊まりがけで現地を視察するのは初めて。

■「環境問題における9.11」

 一方、オバマ大統領は米政治専門サイト「ポリティコ(Politico)」のインタビューで、輸入原油への依存や危険を伴う深海の油田掘削からの転換を図るべくエネルギー政策を見直すと明言した。

 ポリティコが13日に掲載したインタビュー記事で同大統領は、今回の事故を「環境問題における9.11」と呼び、「2001年の9.11米同時多発テロが米国の脆弱(ぜいじゃく)性に対する見方と外交政策に根本的に変えたのと同じように、今回の大災害が米国の環境・エネルギー対策に対する今後の考え方を決定づけるだろう」と語った。

 また、米国の指導者として最も重要な課題は「今回の大災害から正しい教訓を引き出すことだ」と述べた。

■ゴールデンタイムにテレビ演説

 オバマ大統領は15日午後8時(日本時間16日午前9時)、ホワイトハウス(White House)の大統領執務室からテレビ演説を行う。慣例では米大統領がゴールデンタイムにテレビで演説するのは、戦争や大災害時など国家的な危機が発生したときに限られている。

 翌16日にはホワイトハウスで補償問題などについて大統領と英エネルギー大手BP幹部の直接協議が予定されているなど、オバマ政権はここ数日、原油流出問題における強い指導力を国民に印象付けようと次々に行動を起こしている。(c)AFP