【6月13日 AFP】12日に投票が行われたスロバキア国民議会(一院制、定数150)選挙で、ロベルト・フィツォ(Robert Fico)首相率いる中道左派の与党「スメル(Smer、「道標」の意)」が第1党になったが、連立与党は過半数を獲得できなかった。

 統計局の発表によると、開票率が99%の時点でスメルの得票率は34.87%となり、62議席を獲得した。連立パートナーのスロバキア国民党(Slovak National PartySNS)と合わせると71議席を獲得した。

 議席獲得には5%以上の得票率が必要で、立候補者を出した18政党のうち6政党がこの基準を満たしたが、もう1つの連立パートナー、人民党/民主スロバキア擁護運動(People's Party-Movement for Democratic SlovakiaLS-HZDS)の得票率はこの基準に達しなかった。投票率は58.8%だった。

 中道右派の野党諸政党の獲得議席を合わせると79議席になり、政権交代が起きる可能性もある。フィツォ首相は13日朝、選挙結果を「大勝利」と評して組閣に向けた意気込みを語ったが、「中道右派による政権ができる可能性もある。その場合われわれは強力な野党となり、1年以内に政権を奪取するだろう」と述べた。

 スロバキア経済は世界的な金融危機の影響で悪化し、5月の失業率は12.25%に達した。選挙戦で社会保障費の削減や増税をせずに財政を改善すると訴えた野党スロバキア民主キリスト連合(SDKU)は、政策が一致しないとしてスメルとの連立の可能性を否定した。(c)AFP