【6月13日 AFP】(写真追加)宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration AgencyJAXA)の小惑星探査機「はやぶさ(Hayabusa)」が13日、オーストラリアの砂漠地帯に落下し、小惑星「イトカワ(ITOKAWA)」まで往復50億キロメートル、7年におよぶ旅を終え、地球への帰還を果たす。

 はやぶさは日本時間13日午後7時51分ごろカプセルを分離し、同日午後10時51分ごろカプセルが大気圏に再突入する予定となっている。成功すれば、月以外の天体に着陸し物質のサンプルを持ち帰った世界初の例となる。また、イトカワに物理的に接触し、地球へ帰還することも世界初となる。

 はやぶさは2003年5月に打ち上げられ、05年9月にイトカワとランデブー、同年11月に着陸した。当初、イトカワ表面の砂のサンプルを採取し、カプセルに入れて持ち帰る計画になっている。

 だが、地表の岩石を砕き、舞い上がった砂を採取するシステムが機能せず、サンプルが採取されたかどうかは不明だ。サンプルが採取できていれば、太陽系の進化プロセスを解明する大きな鍵となると見られている。

 はやぶさのカプセルは上空約10キロでパラシュートを開く。その後、オーストラリアのウーメラ立入制限区域(Woomera Test Range)に落下し、ビーコンを発して回収を待つ段取りになっている。同区域は、先住民アボリジニの聖地となっているため、はやぶさ回収にはアボリジニも同行するという。

 回収されたカプセルは、JAXAの相模原キャンパスに移送され、X線検査などが行われた後、日本やオーストラリア、米国の科学者らの手によって開封される。(c)AFP