【6月12日 AFP】中央アジア・キルギス南部オシ(Osh)で10日夜から11日にかけて、民族間対立による衝突が発生し、45人が死亡、630人以上が負傷した。事態を受けて同国政府は11日、南部に非常事態宣言と夜間外出禁止令を発令した。

 目撃者によると、銃器や手製の武器をもったウズベク系住民とキルギス人がオシの市街で衝突した。市内の建物や車に火が放たれ、店舗の窓ガラスが割られたという。オシは、4月に失脚したクルマンベク・バキエフ(Kurmanbek Bakiyev)前大統領が、一時期拠点としていた都市。

 一方、首都ビシケク(Bishkek)中心部でも、数千人規模の抗議デモが発生し、車やミニバスを乗っ取り、オシへ向かうよう要求。警官隊が出動して投石し警察犬を投入してデモ隊を解散させた。国営カバル(Kabar)通信や目撃者が述べた。

 キルギスでは、4月の政変でバキエフ大統領が失脚し、住民間の衝突で87人が死亡した。政変以降、国際社会はキルギスで内戦が起きる危険性があると警告していた。(c)AFP/Tolkun Namatbayeva