【6月10日 AFP】気泡がはじけるとき、すっかり消滅するのではなく、より小さい「娘気泡」が環状に発生するとの実験結果が、9日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。この現象は、気泡を形成する物体が水のように比重の軽いものでも、重油のように重いものでも当てはまったという。

 研究者らは、成分を問わず気泡そのものに普遍的に該当する理論ではないかとして、医療、気象、ガラス製造などのさまざまな分野に応用できる可能性を指摘している。

 米ハーバード大(Harvard University)の大学院生、ジェームズ・バード(James Bird)氏らはある日、気泡がさまざまな表面でどう拡散するかを徹夜で調べていたときに、気泡がはじける時により小さい気泡が環状に発生することを見いだした。その後は雨の日やプールで泳ぐ際にも気泡の様子を観察。さらに、高速度カメラで気泡がはじける瞬間を撮影し、これを基にした数学モデルで仮説を実験および再現した。

 その結果、気泡は固体や液体の表面に接するときに、表面積を最小にするためほぼ完ぺきな半球を形作ることが明らかになった。

 また、気泡がはじける際に2段階のプロセスがあることも分かった。まず、気泡は負荷がかかると折りたたまれ、ドーナツ型のポケットに空気が閉じ込められる。次に、表面張力がこのドーナツを破り、より小さな気泡が環状に発生する。これは、水道の蛇口から弱く流れる水が、表面張力により連続する水滴に変わるのと同じ仕組みだという。(c)AFP