【6月9日 AFP】英国で、少年がインターネット上で購入したレーザーポインターで目に損傷を負っていたことが明らかになった。英国でこうした事故が報告されるのは初めてだという。

 王立リバプール大学病院(Royal Liverpool University Hospital)とマンチェスター王立眼病院(Manchester Royal Eye Hospital)の専門家3人が9日、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」上で報告した。

 報告によると、少年は緑色のビームを発する小型レーザーポインターで遊んでいて目を損傷し、視野の中心部分が見えにくくなる中心暗点の症状が出て、物の形状を鮮明にとらえることができなくなったという。

 診断の結果、少年は目の表面が焼け、網膜に光が入りにくくなっていたことが分かった。少年の視力は2か月後には回復したが、網膜の損傷は残ってしまった。

 報告を行った専門家によると、一般的に、レーザーによる網膜の損傷は一生残り、後になって視力の低下につながる場合もあるという。

 小型レーザーポインターは、講義やプレゼンテーション、会議などで強調したい対象を指し示す目的で作られているが、ここ10年ほどで一般にも普及し、キーホルダー型のものも販売されている。

 今回BMJ誌で取り上げられたレーザーポインターの種類や出力については明らかになっていない。英健康保護局(Health Protection AgencyHPA)は、レーザーポインターについて、出力は1ミリワット未満で安全情報を添付することを薦めている。(c)AFP