【6月9日 AFP】エジプトの検察当局は8日、イスラム系弁護士団体による『千夜一夜物語(One Thousand and One Nights)』の発禁処分の申し立てを退けた。半国営通信社、中東通信(MENA)が報じた。

 発禁申請が出されたのは、国営のGeneral Agency for Cultural Palacesがアラビアンナイトの新版を出版したのがきっかけ。弁護士団体は、アラビアンナイトは「不道徳と罪悪を呼び起こす」性行為に関する記述が多数記載されているとして、わいせつだと主張していた。

 アブデル・メギド・マフムード(Abdel Megid Mahmud)検事は、アラビアンナイト(Arabian Nights)の名でも知られるこの物語は、何世紀にもわたって何の問題もなく出版され、数多くの芸術家にインスピレーションを与えてきたと語った。

 さらに、出版に問題なしとした1985年の判例を引き合いに出し、今回の申し立てに新たな要素はないと指摘した。(c)AFP