【6月3日 AFP】従業員の自殺が相次いでいる台湾系大手電子機器メーカー、富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)は2日、中国工場でまた新たな自殺者が出たことを明らかにした。同社発表によると、今年に入り10人の自殺者が出ている広東省深セン(Shenzhen)の工場の従業員(27)が前週4日、自殺したという。

 中国の労働状況を監視する米団体、中国労工観察(チャイナ・レイバー・ウオッチ、China Labor Watch)によると、この従業員は1か月以上にわたって夜勤シフトが続いていたと家族が証言しており、家族は過労が自殺の原因だと訴えている。しかしフォックスコン側ではこれを否定している。

 フォックスコンは米アップル(Apple)の携帯電話端末iPhone(アイフォーン)や同じく携帯端末大手のノキア(Nokia)、米コンピューター大手デル(Dell)などの委託製造を手がけている。

 同社では2日、中国の生産ライン従業員の賃金を3割引き上げると発表したばかりだった。(c)AFP